コンタクトレンズ眼障害者：定期検査の実態

コンタクトレンズ眼障害を起こした人の定期検査の受診状況を調べると、下図のように28.6％の人は全く定期検査を受けていないという実態が明らかになりました。また、「月1 回」、「3 カ月に1 回」、「眼科医の指示通り」に受診した人はそれぞれ5.8％、28.7％、5.6％となり、日本眼科医会が推奨しているような、最低でも3カ月に1回の定期検査を受けているのは、合わせて40.1％にしか過ぎませんでした。
つまり、眼障害を起こした人のうち6割の人が適切に定期検査 を受診していないということが分かりました。

近視とは？

近視とは、目が調節をしていないときに、平行光線が網膜の前の方でピントが合う状態で、遠くにある物体や景色がぼやけて見える状態です。逆に近くは良く見えます。 　
通常、遠くのものを良く見えるようにするためには、中心のへこんだレンズのメガネをかけたり、コンタクトレンズを装用する必要があります。
近視そのものを訓練などで永久的に元の正視に治すことはできません。
しかし、短時間でもこの近視を治す方法として、現在、注目されているのが、オルソケラトロジーなのです。
詳しくは、こちらを　[オルソケラトラロジーとは]

コンタクトレンズに関する病気

コンタクトレンズは、角膜の上にのせて近視や遠視、乱視を矯正する眼科用具です。 角膜に直接触れることから、装用方法やレンズの扱いを間違うと、角膜にいろいろな障害を起こすことがあります。 　 コンタクトレンズによる目の病気として代表的なものは、以下の病気です。

■角膜びらん　　
角膜の表面の上皮がはげる状態です。最近では、昔の酸素透過性の悪いハードコンタクトレンズをつけたまま寝てしまったとか、保存液と他の液体（消毒液）などを間違えて使用し、そのままコンタクトレンズをつけていたといった状況で引き起こされます。
■点状表層角膜症　　
角膜の表面に無数の細かい点状の「びらん」が見られる状態です。涙液減少症すなわちドライアイが関係していると考えられます。最近の使い捨てコンタクトレンズでは、スマイルマーク状の点状表層角膜症が良く見られます。
■角膜侵潤、角膜潰瘍、角膜感染症　
角膜の一部に白く混濁した場所ができたとか、強い充血を伴う場合には角膜浸潤や角膜感染症を疑います。この場合は、コンタクトレンズの使用を即中止する必要があります。角膜感染症が疑われる場合は、入院して治療していくケースもあります。
■アレルギー性結膜炎、巨大乳頭性結膜炎（GPC）　　
特にソフトコンタクトを長年使用中に発生しやすく、コンタクトを外したあとの痒みやまばたきの後にコンタクトが下に下がりにくいなどの症状があります。

病気を予防するために

コンタクトレンズの病気を予防するためには、眼科医による指導に従ったコンタクトレンズの正しい使用とともに、定期検査が必要です。
皆様の眼を守るためにも、コンタクトレンズ購入の際は、眼科医による定期検査を受診ください。
ユーザーには厳しい言い方になりますが、コンタクトレンズによる眼トラブルはほぼ100％ユーザー側の広義の誤使用、油断によるものです。